経済と道徳が溶け合った領域に現れる炎。

昨年末に、上越にある川上陽税理士事務所のロゴマーク制作の依頼を受けた。

予算はおよそ90万円。4ヶ月にわたって度重なるヒアリングを進める中で抽出された組織のタグラインは「情熱的な経営に、もっと利益を。」という言葉。

「情熱的」とはどういうことか。「いい利益」とは何か。「経済」とは。「道徳」とは。「知」とは…。たくさんの言葉を、川上さんとぼくとの共通認識として定義して、文章や図をつくっては疑って改善して。の繰り返し。

その結果、「経済と道徳が溶け合った領域に現れる、静かな炎。」という答えが出ました。

このマークは、葉っぱにも、種にも、目にも見えるような、ある種、曖昧な表現によって、見た人の主体性を起動させることになり、多様な思想を受け容れる器となる。という未来のストーリーまで設計して、それを伝えるWebページを2枚つくって、今日2時間半かけてプレゼンをして、バッチリ不採用となりました。

川上さんは、そんなに甘くない。

けど、一生懸命このロゴづくりをする中で、こういうプレゼンをして、確かに採用はされなかったけど、ぼくはこのマークが心から美しいと思ってプレゼンをすることができた。

その結果として、川上さんは妥協せず自分の美意識を開放して真っ直ぐに「ちがう」と仰ってくれた。

このプロセスにこそ、ぼくは価値があると感じているし、川上さんもきっとそう感じていると思う。

どこが違ったのか。川上さんの中にある、もうここまで来たら言語では説明しきれない、極めて微細な、美意識通りの色や形は何なのか。を、共通認識として前よりも詳細に取り出せたので、この「NO」を受けて、今からもっと美しくブラッシュアップ。

川上さん。最終的には、300年後も残りうる美しいマークに仕上げるので、大いにご期待の上、もう少しお付き合いください。


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