2年半かけてつくりました。「次世代人材育成協会」ロゴの壮絶デザインプロセス。

こんにちは。デザイナーの福田です。

事例ページにも記載されているとおり、現状維新デザイン研究所は、一般社団法人次世代人材育成協会のロゴデザインをはじめとしたブランディングデザインを担当しました。(※事例ページはこちら

今回、あらためてその壮絶なデザインプロセスを振り返って記事にまとめてみました。

出逢うところから制作は始まっていた。

この社団ロゴは、一朝一夕に発想されたものではありません。

当時、青山にあった現状維新のオフィスに、のちに次世代人材育成協会を立ち上げることになる櫻井社長が訪ねてきたのは2016年の12月。

たしか初めは、社団法人の母体となる「株式会社次世代人材アカデミー」立ち上げのタイミングで、ロゴと名刺をつくってほしい。という依頼でした。

当時の写真。2人ともどこか若々しい。

櫻井社長はデザインに関するリテラシーがべらぼうに高く、経営者、教育者としてのビジョンも当時から全国規模の巨大なものでした。

当時はデザイナーとしてまだ未熟で大きなプロジェクトに携わった経験も少なかったぼくにも、「このおじさんは、語っているビジョンを普通に達成してしまうんだろうな。」ということはわかりました。建前や体裁じゃない「夢を“普通に”欲望している感」がバシバシ伝わってきたのです。

そこから2年間、ぼくは株式会社次世代人材アカデミーのデザインを数多く担当し、外注先 → 外部顧問 → 取締役と、どんどん次世代人材アカデミーとの距離を縮めていつしか想いに完全に同調しまくっていました。

人としてめちゃくちゃ素敵な櫻井社長

いわばこの2年間は、信頼関係をつくりながら櫻井社長の哲学や思想をぼくの中にインストールする期間。この期間がなかったら、きっとここまで耐久性のあるロゴをつくることはできませんでした。

一緒にミーティングや制作を繰り返す中で、何を考えているかがわかるようになっていきました。

ブランドを定義する。

そんなある日、櫻井社長は突然「福田さん、社団を立ち上げることにしました。これに賭ける。」と、また普通の顔で言ってこられたのです。

やる理由を聞いてバチバチに共感したので、次の日から、ひたすら想いを定義する日々がはじまりました。

櫻井社長に質問を投げまくったのです。

次世代人材育成協会とは何なのか。次世代人材育成協会は何のためにこの世に生まれるのか。誰にどんな種類の幸福をもたらす能力があるのか。世界のどの領域を、どう変えるのか。

多忙すぎるスケジュールの合間で時間をつくって企画を練り、ぼくの住む群馬まで足を運んでくださったりなんかもして、一言一句、丁寧に言葉にしてくださいました。

超具体化した定義を凝縮する。

ヒアリングの結果から、つまり櫻井社長が社団を立ち上げて成し遂げたいことは「教育を通して日本を豊かにすること。」だということがわかりました。

次世代人材育成協会が標榜する教育とは「人が成長する場を提供すること」。成長とは「変化そのもの」。豊かさとは「心の余白」。。。

これらの詳細な定義から社団のブランドイメージを体現するVI(ビジュアル・アイデンティティ)を作るため、櫻井社長と一緒に基本となるロゴの方向性を立てました。

そしてある日、櫻井社長から突然LINEで送られてきた言葉が、

「 教育維新 」

でした。半端じゃない「それだ感」がスマホの画面からほとばしっていました。

ロゴ設計

そうして出来上がったシンボルマークがこちら。

ロゴタイプを加えたもの。

すべてのエレメントが開いたオリジナルフォントは、業界全体を風通しの良い場に変えていくというメッセージを表します。

教育維新という言葉をそのまま印章化しロゴとセットで配置するシステムとしました。

伝統を重んじながら革新性も感じるような文字の組み方を意識し、また外枠の四隅は外に向かって拡大するイメージで角をつくりましたが、内側は角を取って優しく自然な印章に。

“引き出す”シンボル「三釻」

シンボルマークをつくるにあたりぼくは、ビジョンに含まれる「日本」や「豊かさ」、また当協会の役割である「引き出す」「広げる」などに目を向けました。

はじめに提案したデザインは、持続可能性を表す木瓜紋の要素を強く表した「四釻」でしたが、協会のベースである価値観「三方よし」の要素を入れて「三釻」にするのはどうか。という協会理事の方々からの提案で、カチッと正解が見えた思いがしました。

釻を模したオブジェクトを4つから3つにすることで、ユニークネスが強化され、マークの耐久性がグッと高まりました。

シンボルマークに込めた3つの意味。

そして最終的に完成した今回のシンボルマークには、下記の3つのメッセージを込めました。

  • 木瓜
  • 三方

それぞれのメッセージについて説明していきます。

一、 ノウハウを箱の中から外に引き出す。/業界をひらく。
一、 企業の内から外にISMを引き出し、拡げる。
一、 個人の才能を引き出す。/要となる人材を育てる。

一、 持続可能な社会の実現に貢献する。
一、 企業単位の後継者問題、離職問題を解決する。
一、 閉鎖的な業界の文化をひらく。(三辺の間を広く空けることから)

一、 「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つを重視する。
一、 三角形が外力に強い構造であることから、企業単位の強さや安定性を強化する姿勢を表す。

組み方のバリエーション

今後、協会が大きくなっていくことを見据え、スクリーン上や紙媒体など、多様なメディアに対応することができるよう、組み方にバリエーションを多く持たせ、配置や余白の量にもルールを与えました。

これはシステムのほんの一部。

このロゴ制作の主体は、ぼくではなく櫻井社長。

ご覧いただいた通り、ロゴ制作という仕事は、デザイナーが自身のセンスや個性を発揮して作品をつくることでは決してありません。むしろ逆。

主体はあくまでもクライアント。このロゴをつくった張本人は紛れもなく櫻井社長やその周りの理事の方々です。デザイナーであるぼくの役割は、制作のお手伝い。

まだ櫻井社長が表に出していない熱い想いや本心を引き出していく。これが、本当に機能するロゴマークを開発する第一段階であり最重要タスクです。

次世代人材育成協会の持つ想いや本質的価値を、グラフィックという言語に正しく翻訳し、社内スタッフや世の中にきちんと伝わる形(=正解)に近づけて答え合わせを繰り返していきました。その結果、正解に限りなく近い形に辿り着けたのではないかと自負しています。

幸せな仕事の機会をくださった櫻井社長に、心から感謝申し上げます。

今後とも、このロゴともども、一般社団法人 次世代人材育成協会をよろしくお願いいたします。

→ 次世代人材育成協会ブランドサイト


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